個人的なまとめ
• AWS、Google Cloud、Azureには機能が重複する部分があるが、それぞれに明確な強みがある。
• NetlifyはPlatform Engineeringに力を入れており、特定のニーズに特化した強みを持つ。
• GartnerのMagic Quadrantで評価される要件が明確に定義されており、信頼性が高いと感じた。
大手クラウドベンダー(AWS、Google Cloud、Azure)の強みと課題
強み
• AWS
Lambdaを中心に、他のAWSサービスとのシームレスな連携が可能。
例:API GatewayやDynamoDBとの統合が簡単に行える。
• Google Cloud
Cloud Functionsをコアとして、Container(GKE)やFunctionsのみでServerless環境を構築可能。
最新AIモデル「Gemini」をGoogle社内のサービスに積極導入。
• Azure
教育コンテンツや学習リソース(例:Azure Learn)が充実しており、新規ユーザーにも優しい環境。
特にエンタープライズ向けのサポート体制が強力。
課題
• サービスが多すぎて類似サービスが存在し、選択や学習の複雑性が高い。
(例:AWSの複数のデータベースサービス、Google Cloudのストレージオプション)
その他のリーダー企業(Red Hat、Salesforce)
• Red Hat
OpenShiftは複数のクラウドベンダー環境で動作可能。
ただし、AWS Lambdaなどクラウドベンダー特有の機能と組み合わせることが難しい。
中規模以上のKubernetesユーザーに適しているが、弊社では現状利用予定はない。
• Salesforce
HerokuはPaaSの先駆けで、デプロイのしやすさが特徴。
しかし、Salesforceとの統合が限定的であり、他のサービスとの互換性に懸念がある。そのため、最近の動向を確認し、検証を行う価値がある。
挑戦者たち:Cloudflareの取り組み
• Cloudflare
もともとCDNやネットワーク分野が主力だが、2020年以降Serverlessにも注力。
独自のServerless Workersを使い、エッジコンピューティング環境で効率的にリクエストを処理可能。
さらに、LLM(大規模言語モデル)への投資も行っており、2025年にはコンテナ管理機能の展開が予定されている。
未来を見据えた企業:VercelとNetlify
• Vercel
Next.jsを開発したことで知られ、フロントエンド開発者に特化したデプロイ環境を提供。
Next.jsとの親和性が高く、Webアプリケーション開発者にとって利便性が高い。
• Netlify
Jamstackアーキテクチャ向けのPaaSを提供。
ヨーロッパやアメリカで広く利用され、フロントエンド開発における人気が高い。
ニッチプレイヤーたちの可能性
• Huawei
中国市場を中心に展開。OSSプロジェクト(例:Apache ServiceComb)への貢献も行い、外部への影響力を拡大中。
• Platform.sh
PHPフレームワーク「Symfony」の制作者がCPOとして関与しており、特にWebアプリケーション開発で注目されている。
Renderの代替として位置付けられる場合も多い。
• Mia-Platform
イタリア発のPaaSプロバイダー。
Git連携を軸に、シンプルなUIで環境構築が可能。中小規模プロジェクトに適していると考えられる。
感想と今後の展望
日本国内ではFUJITSUやNECなどの独自クラウドサービスも展開されていますが、国際市場での規模感や技術的な成熟度ではまだ課題があると感じました。
大手クラウドベンダーは引き続き強力な選択肢ですが、VercelやNetlifyのような新興企業が提供するシンプルで特化型のサービスにも注目すべきです。
弊社としては、これらのサービスの最新動向を定期的に調査し、利便性や適用範囲を評価するレポートを継続的に発信していきたいと考えています!