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Excelの限界と、アプリ導入のベストタイミングとは?

Excelの限界と、アプリ導入のベストタイミングとは?

2025年7月13日 | Tool

Excelは優れたツール、でも万能ではない

いろいろな企業とお話をしていると、「業務は今もExcelで管理しています」と耳にすることがよくあります。しかし同時に、それが課題になっているという声も多く聞かれます。

Excelは柔軟で、多くの業務で活用できる非常に優秀なツールです。しかし、会社の成長や人員の増加に伴って、Excelだけでは対応しきれない課題が見えてくるのも事実です。

Excelを使うべき業務とは?

Excelやスプレッドシートのようなスタイルのツールには、Microsoft Excelだけでなく、Google Sheets、LibreOffice、AppleのNumbersなど、さまざまな選択肢があります。

基本的な操作感や互換性は高く、どの製品を使っても、基本的な機能に関してはほぼ同じ感覚で利用できます。

当初、Excelのようなスプレッドシートはデータの作成・計算・分析を簡単かつ効率的に行うために作られました。そのため、以下のような業務には今でも非常に適しています。

  • 一人で完結する業務(見積もり、予算管理など)
  • 数値の仮説検証やシミュレーション
  • 頻繁に構造が変わる一時的な資料作成
  • 手動で最終チェックを行いたい業務

しかし、複数人で共有し始めたとたん、予期しないトラブルが起きやすくなります

Excelが限界になるタイミングと課題

実際の現場では、一人で使うよりも複数人で共有しながら使うケースが多いと思います。

立場の異なる人や、Excelの操作に慣れていない人が自由にデータを変更できる場合、業務に混乱をきたすリスクが高まります。そういったタイミングでこそ、Excelから新しいアプリに移行することを検討するべきです。

よく見られるExcelの課題は以下の通りです

1. 複数人で同時に使うことで、上書きミスが発生する
2. ファイルの最新版がわからなくなる(バージョン管理の問題)
3. データ整合性がとれていない(重複・入力ミス)
4. マクロや関数がブラックボックス化して属人化する
5. UIが使いづらく、新人がすぐに使えない
6. 外部アプリとの連携ができず、手作業が増える
7. 権限管理が弱く、情報漏洩リスクがある

これらの課題は、Excelを使い続ける時間が長くなるほど顕在化する傾向があります

アプリに移行する判断のための3ステップ

ステップ1:業務の棚卸し

まずは、どの業務をExcelで行っているかを洗い出しましょう。
頻度・関与人数・重要性を基準に整理すると、移行すべき業務の優先度が見えてきます。

ステップ2:属人性が高いものを特定

「○○さんしかこのExcelを使えない」という状態は危険信号です。
標準化できる業務は、アプリ化の優先対象になります。

ステップ3:共有・自動化が必要な業務を先にアプリ化

例:案件進捗管理、在庫管理、営業報告、発注管理など。
入力ミスや確認漏れが致命的になる業務ほど、アプリ化の優先順位は高くなります。

この3ステップを踏むことで、アプリ移行の優先順位付けや、適したツールの選定がしやすくなります。

自社でできるアプリ化:ノーコード・自動化ツールを活用しよう

以下のようなノーコード/ローコードツールを使えば、開発会社にいきなり依頼しなくても、自社内で業務改善の第一歩を踏み出すことができます。

ツール特徴向いている業務費用感
Google App ScriptGoogleスプレッドシートと連携して、簡単なWebアプリが作れる社内ツール、フォーム、通知無料(Google Workspace内)
Airtable見た目はExcelでも、リレーションやフォームが使える顧客管理、案件管理無料〜有料($20〜)
Glide Excel・Airtableベースでスマホアプリを作成できる営業・業務管理無料〜有料(月$25〜)
n8n各種ツールを連携、自動化ワークフローを構築通知連携、データ転送無料〜有料

これらのツールは、Excel的な操作感を維持しつつ、より安全で効率的な業務フローを構築することができます。

たとえばGoogle App Scriptを使えば、Google Spreadsheetと連携したWebアプリケーションを構築可能です。これにより、新しい従業員の学習コストを抑えながら、業務の継続性と正確性を高めることができます。

まとめ:Excelは出発点、アプリは成長の加速装置

Excelは今でも非常に便利なツールですが、チームでの運用や自動化が必要になると限界が見えてきます。

最初はExcel、次にノーコードツール、そして必要に応じて本格的な業務アプリへと移行していくことで、無駄なく・効率的に業務の進化を進めることが可能です。

もし今、「このままExcelで本当にいいのか?」と感じているなら、それはアプリ化を検討するベストなタイミングかもしれません。

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