Scrap Book

Insights and updates

OSS Insightを使ってみた感想と活用アイデア

OSS Insightを使ってみた感想と活用アイデア

2025年8月4日 | 未分類

GitHubを横断分析できる強力なOSSダッシュボード

最近、「OSS Insight」というサービスを偶然見つけました。これは、TiDBという分散型データベースを開発しているPingCAP社が提供している、GitHubのOSSプロジェクトを横断的に調査できるサービスです。正直なところ、2022年6月にはすでに提供が開始されていたようですが、今日までその存在を知りませんでした。

日頃から「GitHub上のOSSを横断的に比較・分析できるツールがあれば便利だな」と思っていたので、どのような機能があるか調べてみました。

OSS Insightとは?

OSS Insightは、GitHub上の数百万件に及ぶリポジトリやコントリビューターの情報を、統計データやグラフで直感的に可視化してくれるツールです。

主な機能は以下のようなものです:

  • OSSプロジェクトのスター数、フォーク数、成長推移の可視化
  • 複数のリポジトリやオーガニゼーションの比較
  • 言語・フレームワーク別の人気度や変遷の把握
  • OSS開発者の地域分布、活動量、人気の増減
  • 自然言語で検索できるText2Query機能(生成AIベース)

使ってみて感じたこと

非常に使いやすいUI

UIが非常に直感的で、検索や比較がとてもスムーズに行えます。例えば、GitHubリポジトリの成長推移や人気度を、折れ線グラフや棒グラフで一目で確認できるのは、他のツールではなかなかできない体験でした。

Text2Queryで自然言語検索も可能

使いやすいUIに加えて、生成AIを活用したText2Query機能では、自然言語をSQLに変換することができ、チョ感的で、インタラクティブな分析結果を取得できます。個人的には、「自然言語でOSSの分析ができる」という点で、技術選定時の情報収集やプレゼン資料作成にも活用できると感じました。

例として Top 30 opensource orgs by starsというサンプルで質問をするとこのようなチャートで答えが返ってきます。

活用のユースケース例

以下のようなシーンでOSS Insightは強力なツールになると感じます:

  • 競合OSSの人気推移を比較して、プロダクトの技術選定に役立てる
  • トレンドの言語やライブラリを把握して、社内教育や研修資料に活用する
  • 自社OSSプロジェクトの相対的位置づけを把握し、成長戦略を練る
  • 採用活動において、技術トレンドに基づいた訴求力のある情報提供

APIも提供されている(Beta)

OSS InsightはBeta版のようですが、APIも提供しています。例えば、特定のキーワードを含むOSSプロジェクトの人気推移を定期取得して、自社のダッシュボードに埋め込むこともできます。定期的な技術トレンドレポートや、Slack通知との連携などにも応用できそうです。

APIドキュメントはこちら

正直な感想(気になる点)

全体としては非常に素晴らしいツールですし、OSSコミュニティにとっても意義深いサービスだと思います。ただ一点、TiDBのプロモーションが少し強めに出ている点については、正直なところ好みが分かれるかもしれません。とはいえ、OSS Insightの内容自体が非常に優れているため、それを差し引いても活用する価値は十分にあると感じました。

TiDBを使ったチュートリアルもあり

OSS Insightの仕組みはTiDB上で構築されており、その簡易版を自分で作成できるチュートリアルも公開されています。

OSS Insightを使ってみて「この分析を自社データでもやってみたい」と思った方には、TiDBの学習兼プロトタイプ作成として試してみるのも良さそうです。

Build Your Own OSS Insight

類似サービスとの比較

OSS Insightに近いサービスは他にもいくつかありますが、ここまで統合的に視覚化されているものはほぼない印象です。

サービス名概要
Libraries.ioOSSパッケージの依存関係やバージョン管理の可視化
OpenHubプロジェクト単位での履歴情報やメトリクス表示

OSS Insightは、「GitHubのOSS活動を視覚的かつ直感的に掘り下げる」点で一歩抜きん出ている印象です。

最後に

OSS Insightは、GitHubのOSSに関するトレンドや比較を簡単に可視化できる、非常に優れた分析ツールです。

Text2Queryによる自然言語でのクエリや、豊富なグラフ表示、API連携など、開発者・PM・技術リーダー・OSにとって幅広く活用できるポテンシャルを持っています。

OSSや技術トレンドに興味がある方は、ぜひ一度触ってみてください。

お問い合わせ

ご質問があれば、お気軽にお問い合わせください。

CONTACT