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主要クラウドサービス比較:AWS・Google Cloud・Azure・Vercel・Netlifyなど注目企業の特徴と選び方

【2025年版】主要クラウドサービス比較:AWS・Google Cloud・Azure・Vercel・Netlifyなど注目企業の特徴と選び方

2025年1月6日 | Research

はじめに

クラウドサービス市場は今や成熟期に入り、大手ベンダーから特化型の新興プレイヤーまで、多様な選択肢が存在しています。本記事では、AWS・Google Cloud・Azureの三大クラウドに加え、Vercel・Netlify・Cloudflareなどの注目企業について、強み・課題を比較し、導入検討の参考となるポイントをまとめます。

大手クラウドベンダーの強みと課題

AWS(Amazon Web Services)

  • 強み: Lambda を中心とした Serverless構成の柔軟性
  • API Gateway、DynamoDBとの統合もスムーズで、マイクロサービスアーキテクチャに適している。
  • 課題: 類似するサービスが多数存在し、習得コストが高い(例:Aurora、RDS、DynamoDB などのDB製品群)。

Google Cloud Platform(GCP)

  • 強み: Cloud FunctionsとGKEによるServerless + コンテナのハイブリッド構成が容易。
  • Gemini(最新AIモデル)の社内導入を推進し、AI領域への先進的な取り組みが進行中。
  • 課題: 他社に比べ、エンタープライズ支援体制の整備は途上と感じられる。

Microsoft Azure

課題: 機能の重複やUIの複雑さから、初学者にはとっつきにくい面も。

強み: Azure Learn など 学習コンテンツが充実

特に大企業向けの技術支援やSLA保証、MS製品との統合が強い。

特化型クラウド:Vercel・Netlifyの戦略

Vercel

  • Next.jsの開発元として、Reactエコシステムとの統合が非常に強力。
  • Webアプリ開発に特化し、開発からデプロイまでの体験が洗練されている

Netlify

  • Jamstack構成に最適化された シンプルで高速なデプロイ環境
  • Platform Engineering に注力し、企業内DX支援ツールとしても評価が高い。

その他のクラウドベンダー・挑戦者たち

Cloudflare

  • CDNを軸に成長し、Serverless Workersによるエッジコンピューティングにも注力。
  • 2025年にはコンテナ管理機能の提供も予定されており、クラウド基盤としての領域を拡大中。

Red Hat(OpenShift)

  • マルチクラウド対応のKubernetes基盤。
  • AWSやGCPなどの特定ベンダー固有機能とは連携しづらいため、エンタープライズ向け構成に適した選択肢

Salesforce(Heroku)

  • PaaSの草分け的存在で、Gitベースの簡易デプロイが特徴
  • 近年はメンテナンスの停滞やSalesforce製品との統合の乏しさから、評価が分かれる。

ニッチプレイヤーの可能性

Platform.sh

  • Symfonyの共同制作者がCPOを務める、Webアプリ特化型のPaaS
  • Renderの代替として比較されることが多く、ヨーロッパ市場での存在感を拡大中。

Mia-Platform

  • イタリア発、Git連携 + シンプルUIによる低学習コストが強み。
  • 中小規模プロジェクト向けの選択肢として注目される。

Huawei Cloud

  • 中国市場を中心に、OSS貢献(Apache ServiceCombなど)を進める。
  • 海外展開では政治的リスクも存在するが、政府・公共機関向けに導入されるケースも。

日本市場の視点と今後の展望

国内では、富士通・NECといった独自クラウドサービスも存在しますが、国際的な技術競争力やスケーラビリティではまだ差があると感じられます。

今後は以下の点に注目すべきでしょう:

  • 大手クラウドの進化(AI・Serverless・セキュリティ)
  • 特化型クラウドの使い分け(例:Vercel × Webアプリ、Cloudflare × エッジ)
  • 定期的なベンダー比較・レポート作成の重要性

まとめ:最適なクラウド選定のために

クラウドサービス選定においては、「最大公約数的な選択」ではなく、プロジェクトごとの目的・スケーラビリティ・チームスキルに応じたベストマッチの選定が必要です。

弊社としても、最新動向を定期的にキャッチアップし、プロダクト開発に最適なクラウド選定ガイドとして、今後も情報発信を継続していきます。