BaaSはウェブアプリケーション開発の効率化を目指すサービスであり、近年その重要性が増しています。この記事では、代表的なBaaSサービスであるAWS Amplify、Firebase、Supabase、Back4app、Hexabaseについて紹介し、それぞれの特徴や活用ポイントを解説します。
AWS Amplify
AWS Amplifyは、AWSが提供するBaaSの一つで、以下のような機能を提供しています:
• Web Hosting: 静的・動的ウェブアプリケーションのホスティングが可能。
• API Gateway & Lambda: サーバーレスアーキテクチャを活用したAPI構築。
• Cognito: ユーザー認証と管理。
• DynamoDB: 高性能なNoSQLデータベース。
Amplifyを使えば、これらのAWSサービスを統合的に管理できます。また、Amplify Gen2ではFigmaと連携し、デザインから直接Reactコンポーネントを生成する機能が追加され、フロントエンド開発の効率化が進んでいます。
公式ドキュメント: AWS Amplify
Firebase
FirebaseはGoogle Cloudが提供するBaaSで、AWS Amplifyに近い立ち位置です。以下が主な特徴です:
• 基本機能: 認証、データベース(Firestore)、ホスティング。
• 追加機能: ウェブ解析、フロントエンドパフォーマンスのモニタリングが標準で利用可能。
特に、ウェブ解析やパフォーマンス最適化が重要なプロジェクトにおいては、Firebaseが優位性を持っています。
A/BテストやGA4との連携などはAmplifyにはない機能なため、外部公開するWebサービスなどはFirebaseを利用した開発が良いでしょう。
Supabase
Supabaseはオープンソースとして提供されているBaaSで、Firebaseの代替として注目を集めています。
• OSSプロジェクト: ローカル環境でのセットアップも可能。
• フリーミアムモデル: クラウドベースでのサービス展開が可能。
• 基本機能: Firebaseに似た認証やデータベース管理機能を提供。
• 外部連携: 20以上のプラグインを通じて他のクラウドサービスとの連携が可能。
ただし、Firebaseのようなウェブ解析やフロントエンド開発支援ツールは提供されていません。
Back4app
Back4appはMetaが開発したオープンソースのParseを基に構築されたサービスです。
• 簡単なプロジェクト管理: ダッシュボード上でデータベースやソースコードを直接編集可能。
• 初期設定の簡略化: 他のサービスに比べてセットアップが容易。
Parse由来のシンプルで直感的な管理UIが特徴です。
Hexabase
Hexabaseは法人向けに特化したBaaSです。
• 無料プラン: 初期コストを抑えて試せる。
• 管理の効率化: ダッシュボードでのデータベース作成や編集が容易。
特に業務アプリケーションの開発に適しており、企業ユーザーにおすすめの選択肢です。
市場トレンド
Google Trendsを調査したところ、Firebaseの検索数がAWS Amplifyを上回っていました。AWSがクラウド市場全体では優勢であるにもかかわらず、BaaS領域ではFirebaseがより高く評価されている可能性があります。これは、Google Cloudとの親和性やウェブ解析機能の強さが要因と考えられます。

今後の展望
BaaSは、SaaSや他のサービスと連携して事業の基盤を支える重要なツールとなりつつあります。今後も新たなサービスやベストプラクティスが登場する可能性が高く、弊社でもこれらを活用したサービス展開をしていきます。