生成AIのCohereを利用してみた

皆さんは生成AIを主にどのように活用していますか?

生成AIは検索エンジンの代替としての利用だけでなく、APIを通じてアプリケーションに組み込むなど、さまざまな用途で活用されています。

今回は、生成AIの一つである「Cohere」に触れてみたので、その感想をお伝えします。

Cohereとは?

Cohereは、Google Brain出身のメンバーが2018年に立ち上げた企業およびサービスです。

2025年1月2日現在、Google Trendsのデータによると、ChatGPTやその他の人気生成AIと比べて検索数は少ない状況です。しかし、CohereはAWS Bedrockで利用可能なモデルの一つとして採用されており、他の生成AIとの差別化ポイントを持っています。今回は、実際に利用してみた感想をお伝えします。

サービス概要

Cohereは主に以下のサービスを提供しています。

Command Rモデル

Cohereの中心的な生成AIモデルである「Command R」は、2025年1月現在、Anthropicと比較して比較的リーズナブルな価格設定が特徴です。詳しい料金プランは以下の公式サイトをご参照ください。

料金プラン(Cohere公式サイト)

Playground

Playgroundでは、以下の4つの機能をウェブコンソール上で試すことができます。

1. Chat

Chatは、他の生成AIが提供するチャットサービスと同等の機能を備えています。特徴的なのは、「Tools」機能を使って特定のプラグインを有効化できる点です。

例えば、以下のようなプラグインがあります:

Calculator: 数値計算をサポート

Python Interpreter: 簡単なプログラム実行が可能

Internet Search: インターネット検索結果を基に応答を生成

これにより、通常のテキスト応答だけでなく、図表や外部情報を用いた回答も提供できます。

2. Classify

Classifyは、テキストや文章をカテゴリ別に分類する機能です。CSV形式で分類例を提供することで、入力データを自動的に特定のカテゴリに振り分けます。

サンプルデータが充実しているため、実装時の参考として非常に便利です。

3. Embed

Embedは、データの類似度を確認する機能です。サンプルデータを利用し、入力されたデータとの類似度を数値化して表示します。この機能は、検索エンジンの精度向上や推薦システムの開発に役立つでしょう。

4. API Request Builder

API Request Builderを利用すると、CohereのAPIを簡単に試すことができます。生成されたコードをコピーして実際のプロジェクトに活用できるため、プロトタイピングが効率的に進められます。

改善点:日本語の認識精度

Playgroundを利用している際に、日本語の文章が正しく認識されず、中国語?として処理されるケースがありました。この問題により、生成結果が不正確になったり、期待する分類や類似度の結果が得られなかったりすることがありました。

総評

CohereはChatGPTのようなマーケットプレイスを持たないため、日常的な利用をターゲットにしているわけではなく、主にアプリケーションへの組み込みを想定している印象を受けました。

全体的な使い勝手では他のサービスに劣る部分もあるかもしれませんが、ウェブコンソールでの操作が直感的であり、サンプルコードをすぐにコピーして利用できる点は非常に便利です。プロトタイプの実験やデモを迅速に進めたい開発者にとって有用なツールと言えるでしょう。

ただし、日本語認識の問題や多言語対応の精度向上が求められる点は、今後の改良に期待したい部分です。

今回はウェブコンソール上での評価をしてみましたが、APIでの利用方法に関しても今後検証してみたいと思います。

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