AWS Bedrockは、生成AIの基盤モデルを活用するためのAWSの新しいサービスです。
この記事では、AWS Bedrockとは何か、事前準備や提供される機能、実際に使ってみた際のポイントを詳しく解説します。
AWS Bedrockとは?
AWS Bedrockは、AWSが提供する生成AIサービスです。基盤モデル(Foundation Model)を利用して、テキスト生成やナレッジベース構築、プロンプトマネジメントなど、さまざまなAIタスクをサポートします。
学習にユーザーデータは利用されるのか?
AWS Bedrockの利用規約では、ユーザーが利用するデータは基盤モデルの学習に利用されないと明記されています。そのため、社内情報を活用したRAG(Retrieval-Augmented Generation)を構築しても、情報漏洩のリスクを心配する必要がありません。セキュリティ面での安心感が、企業での利用を促進しています。
AWS Bedrockを利用する前の事前準備
AWS Bedrockを使い始める際、以下の手順を事前に行う必要があります。
1. モデルの申請が必要
初めて利用するアカウントでは、モデルの使用申請が必要です。申請なしで直接利用を試みると、以下のようなエラーが発生します。
Data sync failed. "Knowledge base role arn:aws:iam:: is not able to call specified bedrock embedding model arn:aws:bedrock:us-west-2::foundation-model/amazon.titan-embed-text-v2:0: You don't have access to the model with the specified model ID. (Service: BedrockRuntime, Status Code: 403, Request ID: xxxx-xxxx-xxxx-xxxx)"
上記エラーが表示された場合は、モデルの利用申請が未完了である可能性が高いです。
モデルへのアクセスはBedrockの左メニューのモデルアクセスから申請を行うことができます。

2. IAMロールの設定
Bedrockを利用するためには適切なIAMロールを設定し、必要な権限を付与することが重要です。
コンソール上で設定する際にはロールを作成するオプションが出てくるため、基本的には手続きに沿っていれば問題なく利用できるはずです。
AWS Bedrockの提供機能
AWS Bedrockが提供する主な機能は以下の通りです。
1. テキスト生成
選択した基盤モデルを用いて、テキストを生成できます。会話型AIやコンテンツ生成など、ChatGPTを代表とする生成AIと同様の使い方が可能です。
2. オーケストレーション機能
AWS Bedrockには、生成AIをより効果的に活用するためのオーケストレーション機能が組み込まれています。
今回は細かい機能に関しては検証できていません。
a. プロンプトマネジメント
2024年11月7日にリリースされたこの機能では、プロンプトの管理と最適化が可能です。具体的には、複雑なプロンプトのテンプレート化や、チーム間での共有が容易になります。
b. ナレッジベース構築
Bedrockを活用してRAGを構築可能です。これにより、社内ドキュメントやナレッジの検索性を大幅に向上できます。
c. エージェント機能
エージェントを通じて、外部APIやデータベースと連携し、ユーザークエリに基づく動的な回答を提供できます。
Lambdaと連携し
d. ワークフローの設計
複数のタスクを連携させたフローを作成できます。これにより、生成AIの自動化プロセスを構築可能です。
DifyのようにGUI上でロジックを作ることができるので、扱いはかなり簡単かとおもいます。
3. セーフガード
不適切な入力や出力を防止するための安全機能を提供しています。これにより、生成されたコンテンツの品質や安全性を担保します。
4. 推論と評価
生成されたテキストやモデルの挙動を評価するためのツールが用意されています。
まだ検証していないので、細かい内容に関しては後日検証します。
プレイグラウンド
AWS Bedrockのプレイグラウンドでは、ウェブコンソール上でモデルを試すことができます。
• Chatモード: 会話型のAIを利用し、リアルタイムで対話を体験可能。
• Promptモード: 単一プロンプトに対し、単一のレスポンスを得るシンプルな形式。
これらのモードを通じて、モデルの挙動を素早くテストできる点が魅力です。
ただしプレイグラウンドではKnowledgeBaseやフローの検証などはできず、Foundation Modelを検証する際に利用すると良いでしょう。
まとめ
AWS Bedrockは、生成AIを業務に取り入れたい企業にとって非常に有用なプラットフォームです。特に、セキュリティが保証されている点やオーケストレーション機能の充実が、企業利用における大きな利点となります。
初めて触る際は、モデルの申請やIAMロールの設定などの事前準備を確実に行い、プレイグラウンドを活用して使い勝手を確認するのがおすすめです。Knowledge Baseやフローに関しては今後詳細を検証し共有します。