株式会社Toolchainを設立するにあたり、一人で法人設立を行ったため、今後一人で法人設立を行う方へ向けて手順書と役立つであろうメモを記載いたします。
注意事項
私は司法書士でもなければ中小企業診断士でもなく、法律に詳しい人間でもありません。しかしながら、法人設立という行為自体は司法書士などの方がいなくても基本的には行えることです。この手順はあくまで何の資格も持たない素人が、どのようにして法人を設立したかの手順書であり、この手順に則って被害を被られたとしても責任は負えません。これから記載する情報を元に法人設立をする際は、自己責任でお願いいたします。
この文章の対象の方
- 代表者一名の法人設立 (ただし複数の役員、他の条件の場合でも、ある程度は同じだと思います)
- 株式会社であること
- 電子申請での申請を行う。
- 忍耐力
- 公証役場や法務局と電話が何回もできる方
司法書士などの専門家に依頼するより時間はかかる可能性がありますが、基本的に私が躓いた箇所をここに記載するため、この手順通りに行えばかなりの時間を節約できると思います。しかしながら、公証人、法務局の方々も正式な書類の取り扱いになるためかなり厳しい目で書類の確認をしていただきます。そのため何度かやり直しを依頼されることを想定しておくと精神衛生上良いかもしれません。
事前準備
必ず必要なもの
- 代表者の印鑑
- 登記費用 (5万円 + 手数料)
- 登録免許税 (15万円)
- 定款
- Windows 10 or Windows 11 ( ICカードリーダーが接続できるもの )
- ICカードリーダー ( 5000円から1万円の間で購入できる )
- マイナンバーカード
- Adobe Acrobat Pro 32bit版 ( 無料期間で利用すれば費用はかからない )
- PDF署名プラグイン
- 申請用総合ソフト
任意で必要なもの
法人印 ( 法人印を同時に登録する場合)
全体の流れ
- 代表者の印鑑証明を取得する
- 定款の内容を決定する
- 公証人役場で定款の事前確認を受ける
- 定款に証明書を付与する
- 申請用総合ソフトで必要書類を送付
- 法務局から手続き終了のメールが届いたら無事法人設立完了
1. 代表者の印鑑証明を取得する
お住まいの市区町村で個人の印鑑を登録し、印鑑証明を取得してください。マイナンバーカードを持っていれば、コンビニで印鑑証明を取得できるため、マイナンバーカードを事前に取得しておくと便利です。
2. 定款の内容を決定する
定款の内容は法務局のホームページに例があるため、こちらのページを参考に必要な情報を記載してください
一人法人の場合、以下の情報を決めれば十分です。
- 法人名
- 事業の目的
- 本店所在地
- 広告の方法
- 株式発行部数
- 事業年度の決定
- 出資金
- 発起人の情報 ( 氏名、住所 )
3. 定款の事前確認を受ける
定款の内容が決まったら、法人を設立する市区町村の公証人役場に連絡をして定款の内容に関して確認をしてもらいましょう。申請用ソフトにも定款と同じ内容を記載する必要があるため、内容を決定しておくと良いでしょう。
メールでの連絡よりも、電話での応対の方がスムーズに行くと思います。
私の場合はメールで送った後に電話で連絡を頂いて何度か定款の内容を修正する必要がありました。
4. 定款に証明書を付与する
定款の事前確認が完了し次第、証明書を定款のPDFファイルに署名する必要があります。
事前準備
- 1. Adobe Acrobat Pro 32bit版をダウンロード ( Acrobat Proのページはこちら )
- 2. Adobe Acrobat Pro 32bit版をインストール後、PDF署名プラグインをインストール 。
- プラグインを適応するためにWindowsマシンを再起動します。
- 出典:登記・供託オンライン申請システム
- ( https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/download_soft.html#SogoSoft )
- 3. Adobe Acrobat Proの体験版を登録 (2024年8月時点では、無償版は7日間利用可能)
証明書の付与方法
ここから法務局の手順書とは大きく異なる点があるため、この手順書に従って証明書が付与できない場合はご連絡お願いします。
a. 新しいAcrobatを無効にする
新しいAcrobatはUIが使いづらいため、無効化します。これを適用することでMenubarが表示されます。
b. 保護モードをオフにする。
これを無効にしなければICカードが利用できません。
無効にしていない場合エラーが署名時に発生することがあります。
5. 申請用総合ソフトで必要書類を送付
申請用総合ソフトで必要書類を送付します。
この手続きをする際にも、PDFの証明書とは別にそれぞれのファイルに証明書を付与することができます。(する必要があるのかないのかは自分は確認していませんが、一応証明書を付与しました)
申請後、修正の必要があれば、公証役場と法務局から連絡がきます。
私の場合は担当の方が丁寧に教えてくださったため、問題なく設立ができました。
しかし修正回数はおそらく10回以上、また修正箇所に関しては非常に細かい部分を指摘して
修正、申告の手続きを繰り返し行う必要があるため、事前に他の人にも修正されるであろう箇所を確認してもらうことをお勧めします。
6. 法人手続き終了後
登録したメールに登録完了のメールが届きます。
納税は指定した日時前に行う必要があるため、事前に準備をしておきましょう。
7. 補足
登記をする際にやっておいて良かったこと、これを事前に知っておけば良かったということがあったので記載しておきます。
- a. 登録する所在地の創業支援を受ける
弊社の場合は、練馬区で創業しましたが、創業支援を受けることで、登録免許税が半額になりました。この減税処置自体はどこの自治体でも受けれるため、初めての創業という制約はありますが、創業支援制度を受けると良いかと思います。 - b. 東京ワンストップ創業センターを利用する(関東の人の場合)
設立後の青色申告なども行ってもらえるため、事前に必要なものを確認した後に現地で行うと手続きが簡単に行えるかもしれません。
最後に
株式会社Toolchainではこれから創業する皆様のビジネスを円滑に進めるためのご支援をさせていただきます。ホームページの作成から営業、人事労務に関わる分野までソフトウェアの導入から事業計画書の策定まで幅広くご支援させていただきます。
お困りの際はぜひ弊社お問い合わせページからご気軽にご連絡ください。